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『しゅんかん図『しゅんかん図鑑』が小学校中学年の課題図書に!

小学館から発行した『そうだったのか!しゅんかん図鑑』が小学校3・4年生の読書感想文の課題図書に選ばれました。夏休みに入り、本日のアマゾンの順位はなんと全体で84位! 図鑑ジャンルで1位、絵本でも2位です! 撮影のためになんども先生のスタジオに出かけ、苦労して作った甲斐がありました。

トットちゃんのトモエ学園

黒柳徹子さんがADHDかもしれないという話を聞き、改めて800万部のベストセラーとなった彼女の自伝『窓ぎわのトットちゃん』を読んでみました。

小学校に入学したとき、机にじっとすわっていることができず、授業中に窓際に立ってチンドン屋さんを呼び込んだり、つばめに話しかけたり。フタの付いた机が珍しく、授業中に100回も開け閉めする。絵は画用紙からはみ出して机に描いてしまう。

そんなトットちゃんは3カ月で退学になってしまいます。

別の黒柳さんの著書『小さいときから考えてきたこと』には、LD(学習障害)だったと書かれています。

“私はこの退学になった理由を、子どもらしい好奇心の旺盛な元気な子どもだったから、という率直な気持ちですべて本当のことを書いた。ところが、(中略)『窓ぎわのトットちゃん』をLD(学習障害)の子を多く診ていらっしゃる専門家や研究者から見れば、何もかもがLDに当てはまるということだった。こんなこと私は思ってもいなかった。”

こう書かれていますが、じっとしていられず、興味の向くままに行動してしまう様子から、ADHD(注意欠陥多動性障害)だった可能性もありそうです。

いずれにせよ、トットちゃんは退学になった後に通うことになったトモエ学園で、素晴らしい教育を受け、なんと転校したその日から机にすわっていることができるようになります。

好奇心旺盛なトットちゃんはたくさんの失敗をするのですが、毎日が楽しくてしかたないと感じるようになり、生き生きとした毎日を送ります。そして授業中に勝手な行動をとって迷惑をかけることはしなかったようです。

トモエ学園の小林校長先生の教育方針がスゴイのです。

“まず、私のクラスは九人だった。席は決まっていなくて、好きなところに座ってよかった。そして、朝学校に行くと、1日にある時間割の全部科目の問題が黒板に書いてあって、好きなのからやってよかった。だから、結果的には自習であり、分からなくなると先生のところに行って聞くので、だいたい先生と一対一で勉強することになった。”

好きな科目から好きな順に勉強できる。

興味のないことには集中できないとしても、興味のあることには集中が続くのがADHDといわれます。

勉強を強制せず、子どもの興味を重視するこの教育が、ADHDの子の能力を伸ばすのに適しているのかもしれません。

今年、企画・編集して小学館から出版された『発達障害の子の脳をきたえる レイティ博士監修 笑顔がはじけるスパーク運動療育』で強調していることと同じです。

ADHDだったといわれるエジソンは、やはり入学後数カ月で学校を退学させられます。しかし息子の才能に気づいていた母は学校に適応できないエジソンに「そんな学校行かなくていい」と自分で勉強を教え、発明に打ち込める環境を作ったといわれています。

ADHDなど発達障害を持った人には天才も少なくないようですが、子ども時代に自信を失うことなく、興味の芽を摘むことなく、持っている力をのびのびと伸ばすにはどうしたらいいのか。家庭や学校など環境がとても重要ですね。

「失敗する子は伸びる」の翻訳版がベトナムで出版されました

2012年に出版された『失敗する子は伸びる』(岸英光著、小学館)のベトナム語翻訳版が、この夏ベトナムで発刊されました。部数は6000部。日本での初版部数とあまり変わらないので驚いています。

ベトナムの人口は約9000万人。人口ピラミッドが日本と異なり、若い世代が多いとはいうものの、書籍1点あたりの発行部数はふつう500〜1500部ということです。なぜこんなにこの本のニーズがあるのか。ちょっと興味をもち、ベトナムでの子育てについて調べてみました。

『失敗する子は伸びる』は、親が先回りして手を貸したり子どもに代わって決めてしまう子育てをしていると、失敗を怖れ、自分で決められない子、新しいことにチャレンジできない子になってしまう、子どもの失敗をあたたかく見守る子育てをしよう、と提言する本です。

親が子どものためにとレールを敷きコントロールしてしまうことの多い日本では評価され、重版がかかっています。

ベトナムの子育ては「甘やかす」子育て?

ベトナムも同様の子育てをしているのでしょうか。調べてみると、ベトナムでは、日本以上に子どもの行動や進路に親が口出しすることが多いようです。また「甘やかす」ことが愛情を与えること、と考えられているとか。愛情をたっぷり与えることで自己肯定感が育つようですが、小学生や中学生になっても、子どもはまだ判断力がないので、代わりに決めてあげようとするようです。

その結果、自立できない、自分で責任をとれない大人になってしまう? そのことをなんとなく気づき怖れた人たちがいて、この本を手にしてくれたのではないでしょうか。

私自身、この本の編集に携わるまで、失敗させないよう先回りする育児をけっこうしていました。岸先生が指摘されるNGな母親の例に、思い当たるフシありありでした。気づいたとき子どもは大学生と中学生。時すでに遅し、、だったかもしれません。

いま子育て中、あるいはこれから子育てというお母さん、お父さん。自分で決められる子、ころんでも自分で立ち上がれる子に育てるには、手を貸したくても貸さず、温かく見守る子育てをしてください。